父に遺言はなかった。
脳梗塞により失語症になってしまったから。
右腕に麻痺があり
リハビリのおかげで左手で字を書けるようになったが
文章を綴るところまでには至らなかった。
相手の意思は理解できても
言葉が出てこない、書けないというのは
どんなにかもどかしいことだったか…。
何か言い遺してほしかったが
2003年1月22日に倒れてから
2006年9月23日に亡くなるまでの約3年半
口頭での会話はできないままであった。
倒れる前によく言っていた
「生きる命の元力(もとぢから)」という言葉。
どういう意味なのか結局、聞かずじまい。
「与えられた命の表面的な部分だけではなく
根源的な深い部分もフル稼働させて生きろ!」
今はそう解釈している。
会社を早期退職して社会的な活動をしたいと以前から思っていたが
親父の死でその方向に舵を切る決意ができた。
いま、いろんなことに頭を突っ込んでいるのはそういうわけなのです。
秋彼岸父に近づく一歩かな 基風
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