稲刈り。
今年は最近の雨で田んぼに水がたまった状態であった。
自分のゾーンはかなり深い田んぼで
ふくらはぎまで沈んでしまう。
歩くのも思うに任せない。
最初のほうはなんとか我慢できるが
そのうち足腰が疲れてきて体を支えることがつらくなる。
地面が乾いていると腰をおろしたり膝をついたりできるが
それができない。
ふと、インパール作戦に参戦した
父の叔父「幸司」さんのことを思った。
ぬかるみというのはこんなにも早く体力を奪うものなのか
私は鎌一本持っているだけだが
重い三八銃や装備、食糧などを担いで
叔父は看護兵だったので
薬なども背負っていたかもしれない。
私の周りは
平らな田園、なだらかな里山が広がっているが
彼がたどったのは険しい山岳地帯でしかも熱帯雨林。
私には蛙やトンボが時折かすめるが
彼は山蛭(ヒル)や毒蛇などにおびえながら進んでいった
しかも敵に見つからないように夜間の行軍だった。
とんでもないことである。
それに比べれば
この苦労、小さなことだとおもった。
平和がどんなにありがたいことかもわかってきた。
田んぼはいろんなことを思い起こさせてくれる。
とくに深層心理にある思いもよらないことを…。
さすが「哲学の田」だけある。
看護兵故郷の空は秋の色 基風
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