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住民代理店BOB(Break Occupied Barier)代表。自転車で俳諧するおっさん。ミッションは誰かさんを輝かすこと。

2008年10月14日火曜日

俳句入門①

俳句には季語がある。
季語は日本の四季折々の気候、動植物、生活習慣を一言で言い表す。

たとえば、昨日のような天気、空が澄んで遠くまで見渡せるような日ならば
「秋澄む」という季語がある。

歳時記をみると(電子辞書)
「秋気澄む」「澄む秋」「空澄む」という言い方も同意であることがわかる。

そこで、字数を見ると「秋気澄む」が五文字、その他が四文字である。
四文字グループには切れ字である「や」を使えば
「秋澄むや」「澄む秋や」「空澄むや」と上五が出来上がる。

しかし「なになにや」という言い回しは使い古されているので
みだりに用いないほうがいい。
五文字の「秋気澄む」を上五に持ってくる。(成り行きでは下五においても良い)

季語は決まった。
そこで「秋気澄む」と口で唱えてみる。

そこでその時の、情景や心情を表す言葉、フレーズを考える
たとえば、犬の散歩で畦道を歩いているとすると
「秋気澄む犬とお散歩畦伝い」
という句が出来上がる。

しかしこれでは抒情があまり感じられないので、
もう少し観察してみる。

犬が何かに反応して
きりっと前を見たならば

そこで犬の見つめる対象物を下五に持ってくる
たとえば

「秋気澄む犬の視線に鴨の居り」
「秋気澄む犬の視線に群れ雀」
「秋気澄む犬の視線に鷺の飛ぶ」

ここで気をつけないといけないのが
「季重なり」と呼ばれる
一つの句に季語が二つ以上入ること。

「鴨」は冬の季語
同じ鴨でも「かるがも」は夏の季語。
雀や鷺は年中いるので季語にはなっていないが
「稲雀」(秋)、「寒雀」(冬)というのもある。

上記の三つとも対象が一つに絞られず散漫なので
迫ってくるものがない。
潔く諦める。

他の観点を探してみる。

するといつもより愛犬がきりりといい顔に見えたとしよう。

そこで、いい顔→いい男(犬がオスの場合)→美男という連想ゲーム。

そこで閃く!
「わが犬も少し美男に秋気澄む」

こうすると対象が犬に絞られる。

さらに「秋気」という言葉が固いので

「わが犬も少し美男に空の澄む」

と同じ意味の季語を置いてみる。
すると、語感が柔らかくなり、空間の広がりが大きくなる。

かくして、一句出来上がるのであります。
手順を覚えれば俳句は楽しいものであります。




          わが犬も少し美男に空の澄む    基風


     

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