コンセプト・メーカー塩見直紀さん。http://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/
8/6のブログから…
=======================
8月が来るたびに、ブログ等で届けたいと思うのが
原爆詩人の一人といわれた栗原貞子さんの詩「生ましめんかな」。
『綾部発 半農半Xな人生の歩き方88』(遊タイム出版)でも紹介しているのですが、
詩に出てくる産婆さんにエックスなるものを感じます。
ぼくたちもあの産婆さんのようにいきなければと思うのでした。
8月6日、こころをこめて贈ります。
***生ましめんかな 原子爆弾秘話
詩・栗原 貞子
われたビルディングの地下室の夜であった。
原子爆弾の負傷者達はローソク一本ない暗い地下室をうずめていっぱいだった
生ぐさい血のにおい、死臭、汗臭い人いきれ、
うめき声その中から不思議な声が聞こえて来た。
「赤ん坊が生まれる」と云うのだ。
この地獄のそこのような地下室で今、若い女が産気づいているのだ。
マッチ一本ないくらがりでどうしたらいいのだろう人々は自分の痛みを忘れて気づかった。
と、「私が産婆です、私が生ませましょう」と云ったのはさっきまでうめいていた重傷者だ。
かくてくらがりの地獄の底で新しい生命は生まれた。
かくてあかつきを待たず産婆は血まみれのまま死んだ。
生ましめんかな
生ましめんかな
己が命捨つとも
***己が命捨つとも。「半農半X」のエックスとは、この産婆さんのようでありたいと思うのでした。ぼくはこれからもこの詩のことを半農半Xの精神をあらわす象徴として伝えていきたいと思っています。我々は何をこの世に遺して逝かうか、金か、事業か、思想か。内村鑑三(1894年・33歳)のことば(「後世への最大遺物」岩波文庫)栗原さんは思想という詩を遺されたのですね。
=======================
いつかテレビで、吉永小百合さんがこの詩を朗読するのを聞いた時、
震えるような感動を覚えました。
吉永さんも塩見さんも揺らぎがありません。
後生に何を残すのか、しっかりとした視点をお持ちです。
蝉の羽その紋様の美しさ 基風
0 件のコメント:
コメントを投稿