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住民代理店BOB(Break Occupied Barier)代表。自転車で俳諧するおっさん。ミッションは誰かさんを輝かすこと。

2008年6月28日土曜日

転校生

私は転校生だった。

東京からまだ田んぼの残る関西の新興住宅地へ…。
中学2年になった時だった。

転校先の中学校に最初に登校した日
親父と一緒だった。
多分お袋は妹についていったのだろう。

中学校に着くと親父は
「校長室に行こう!」と
いきなり校長に挨拶。

挨拶の後、
担任の先生が呼ばれて
俺はその先生について新しいクラスへ
親父はここで帰っていった。
(親父が学校に来たのは後にも先にもこれっきりだった。)

そのクラスには後二人転校生がいた。
O君とN君。

この3人に共通していたのが
カバンだった。

3人とも肩にさげる白いズック製のカバンだった。

このタイプのカバン、その中学では標準ではなかった。
みんな黒っぽい布製の手提げカバンだった。

私の帽子はつばの短い丸い形だったが
みんなはつばの長いアンパンのような形。

担任はT先生。女性で理科の先生。
私は最初のテストで満点を取った。

「ひとり、満点がいます。」

先生の視線が後方に座っていた俺を向く
クラス中の顔が振り返って俺を見た。

それと、時期は定かではないが(たぶん5月)
クラス対抗のリレーがあった。

私は4番目の走者で
先頭にやや遅れて2位でバトンを受け取った。
小学校では鈍足の代名詞であったが
なぜかその時に限って、先頭に追い付いて
次の走者I君にバトンを渡した。

「あいつは誰や!」と学年主任のU先生が本部席で声を上げたと
担任のT先生から聞いた。

かくして転校生は華々しいデビューを飾ったのである。



    半夏生クラスに馴染む転校生   基風


                           

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