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住民代理店BOB(Break Occupied Barier)代表。自転車で俳諧するおっさん。ミッションは誰かさんを輝かすこと。

2008年6月25日水曜日

蛙の王国

ひと駅前で降りて
家まで歩く。
このルートは中学への通学路だった。

東京から
この街に引っ越してきたのは
中学2年の春。
もう43年前!

周囲は田んぼばかりで
夜になると蛙たちの大合唱。

転校して間もないころ
ある日理科の授業で
先生が「次は蛙の解剖をする。
蛙を捕まえて来てこい、なるべく大きいやつ!」
と言った。

東京の杉並区、いわゆる山の手のお坊ちゃんだった(?)私は
雨蛙は捕まえたことはあったが大きい蛙なんて手に持ったことがなかった。

明日はその授業という日…。
私は意を決して近所の田んぼに出かけた
一人では怖かったので妹を誘った。 (笑)
(まだ、親しい友達がいなかった)

東京からの転校生には蛙なんか捕まえられないと
思われたくなかった。

田んぼに入ったものの小さい蛙はいるが
解剖に適した大きなやつなどいそうもなかった。

諦めて帰ろうとしたとき
「ドボン」という音がした。
見ると、東京では見たこともないような
大きな蛙がいた。

手で捕まえる?
それはできないと思った。
そこで、持って行った缶を蛙の鼻先へ
後ろからチョンと脅かすと、
蛙の方から飛び込んできてくれた。
やれやれ。

翌日学校に蛙を持って行くと
クラスの中で2番目に大きな蛙だった。
教科書にはエーテルなどで蛙を眠らせると書いてあったが
その先生は
「薬品代がもったいないので、足を持って蛙の頭を机の角にぶつけろ」
という指示を出した。

クラス中から「ええー!!!」という声が上がった。
私のグループでは「誰がすんねん」
「そら、持ってきたもんやろ」ということで
私に執行人の役が回ってきた。

ここでも、東京もんはできないと思われたくなかった。
意を決して蛙の足を持って、何度かためらいながらやっていると
先生が「一思いにやれ!そのほうが蛙のためだ!」
(あんたらの教材費節約のためやろ!)
今だったら、動物虐待で訴えられるでぇ。

解剖すると卵巣を持ったメスだった。
インパクトが強かったので
もう43年も前のことなのによく覚えている。

平成の世も20年。
わずかに残った田んぼ…。
稲以外の草は一本も生えていないし蛙の鳴く音もない。
除草剤、農薬のせいである。

わが綾部の田んぼにはいろんな生物がいる
生物多様性に満ちている。

行くぞ!コナギよ待ってろ!
   
     
   
        王国の栄光何処やせ蛙      基風



      

2 件のコメント:

not yet さんのコメント...

東京のご出身でございましたか。43年も同じ場所にお住まいでしたか。かえる、最近本当に見かけなくなりました。神戸の私の家の裏ではタヌキが徘徊しています。鹿児島の私の家の裏では酔客が徘徊しています。

原田基風 さんのコメント...

良秀さん
コメントありがとうございます!
こう見えても東京生まれです。43年経ってすっかり、大阪のおっちゃんになってしまいました。来阪の節はご一報ください。