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住民代理店BOB(Break Occupied Barier)代表。自転車で俳諧するおっさん。ミッションは誰かさんを輝かすこと。

2008年12月16日火曜日

援農

篠山。
Aさんの伝手で
有機農業を実践されているSさん宅へ。
Aさんの友人のYさんも一緒。
この家で農業を1年間研修しているKさんも少し遅れて登場。

福知山線草野駅下車。
綾部の田んぼに行く時車窓からいつも見ている風景の中に
そのお宅はあった。

本日の作業は
黒豆の選別。

写真のような選別用の箱に黒豆を入れて
左右にゆすると皮の向けたものとか割れたもの
いびつなものが見つけやすくなる。

それを手で選びとって
丸いもの、傷のないものだけにする。

へぇー。こうやるんだ。

私の記憶では
スーパーで売られている豆類は
みんな粒がそろっている。

誰かがこういうふうに傷のないものを選び
さらに粒をそろえて
量を量って袋に分けるという工程を経ているのだ!

Sさんの所は有機農業を実践していて
阪神間の会員に販売されるので

粒をそろえるという工程は踏まずに
割れたり皮がむけたりしているものだけを取り除くだけ
なるべく畑の姿そのままにというポリシー。

一般的には商品価値を高めるために
丸くて大粒のものを
人手でえらんだり高価な選別機に掛けたりするそうだ。

何気なく商品棚に並んでいる
豆にもこんな苦労が隠されている

知らなんだ知らなんだ。

Sさん宅のご当主は
30数年前変わり者と言われながら
有機農を始められたパイオニア 。

「かけ値なしに80歳になりました。ハハハ!」
車座になって豆の選別をやりながら
古老の話を聞く 。

地元の小学校に呼ばれ3年生に
川の話を2年続けてやったそうだ。

その時もらった生徒たちからの
感想文を「宝物です」と言って見せてくれた。

「川じい」としての授業。
童謡「春の小川」は3番まであったこと
文語体は小学生に難しかろうと文部省が
口語体にして、2番までにしてしまった。
その3番こそ作者が言いたかったこと。

一、
春の小川はさらさら流る。
岸のすみれやれんげの花に、
にほひめでたく、色うつくしく
咲けよ咲けよと、ささやく如く。

二、
春の小川はさらさら流る。
蝦やめだかや小鮒の群に、
今日も一日ひなたに出でて
遊べ遊べと、ささやく如く。

三、
春の小川はさらさら流る。
歌の上手よ、いとしき子ども、
聲をそろへて小川の歌を
うたへうたへと、ささやく如く。

そこで、クラス一人一人で4番を作ろうという試み 。

実際に川に入って
魚の取り方を教える 。
網を魚のいるであろう前方に置き
足で追い込む方法。

それを経験させて詩を作らせる。

音楽、社会、国語、理科、見事な総合学習 である。

憲法9条の話
武庫川の治水委員会の話
俳句の話、水鶏(すいけい=くいなのこと)という俳号を持っておられた!
菜の花プロジェクトの話。
そこでコンサートをやりたいという、曲目は「おぼろ月夜」。

縦横無尽によどみなく幅の広い、奥の深い話が出てくる

塩見直紀さんが村の古老に話を聞いて回る
「村の光カフェ」を思い出した。

今日、初対面のYさんと Kさんとも
恐ろしいほど話が合った。

農的生活を目指す人たちとの
静かだが劇的な出会いの日だった。

Aさん、素敵なご縁をありがとうございました!!



     短日や古老の話序のままに    基風



       

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