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住民代理店BOB(Break Occupied Barier)代表。自転車で俳諧するおっさん。ミッションは誰かさんを輝かすこと。

2008年5月29日木曜日

綾部夕景


「雨上がりの透明な空気の中で、

その時すべての風物が鮮明な輪郭をとりもどしていた。

盆地をとりまく丘陵は、

落葉して灰色の毛氈のように見えるくぬぎの木を混えながら、

全体としては紫いろに天辺を区切っている。

天頂では白い雲は、山際に寄るにつれて、夕日に染まり、

雲の裾は羞じらうように山にしなだれかかっている。」

「邪宗門」の冒頭で主人公の少年が駅に降り立ったシーン、
著者の高橋和己は、綾部(物語の中では「神部」)の夕景をこう記している。

そう、綾部は雨上がりと夕焼けの時がとてつもなく奇麗である。

このシーンはその二つの時が重ねてある。

さすがである。

彼はこの長編小説の執筆にあたって長期間、綾部に滞在したのだろうか…。
小説家って凄いよなあ。こんな描写を文でしてしまうんだからなあ…。


明日、明後日と綾部です。



      ででむしや夕焼け空に角伸ばす   基風  





      

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