自己紹介

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住民代理店BOB(Break Occupied Barier)代表。自転車で俳諧するおっさん。ミッションは誰かさんを輝かすこと。

2008年5月13日火曜日

天地有情

「私は、人世の手ざわりと実質は、経済ではなく、自分の中に流れる情念と、生きもの(人間を含む)との交感にあると、信じている。」

「現代社会はこうした消極的な時間と空間を軽視する。それに代わって、あたかも積極的な価値で人生が決定しているかのような印象を振りまいている。この積極的な価値の代表が経済的価値である。困った価値だ。この世は、じつに天地有情なのに、消極的な世界をあざ笑うように、積極的な価値が積極的な人生を称揚しつづけている。人間が疲れるのも当然であろう。だから、積極的な価値をつぶすほどの力はないかもしれないが、それにじっくり対抗するモノとコトをして、消極的な価値の代表である天地有情を懐にして、ゆっくり歩いて行きたい。」

(宇根豊「天地有情の農学」コモンズ 297ページ)

消極的な価値ってあるんですねえ…。
宇根豊さん、凄い人です。
名前がいい。宇宙の根本を豊かにもっていると読めます。

16日。金曜日。
田植えです。
米の収穫は第一の目的でなく
天地有情を感じるのが第一の目的です。

田んぼはそのためのベストプレースです。


     植田風生きとし生けるものの声    基風


*夢中で田植えをしているとしんどくなります。そこで腰を伸ばし、辺りを見回すと自分の植えた苗がけなげにも、なんとか田んぼに立って、風に吹かれています。周囲は360度里山の風景です。鹿や猿やイノシシや蛙や鷺やカラス、ゲンゴロウや水蜘蛛やタニシ。杉、ヒノキ、松、ナラ。ススキにヨモギたんぽぽ。その他のを知らぬ生き物たちも私を見ているような気がします。そしてみんなで声を掛けてくれます「おーい、元気だせー?」って…。そしてまた田植えを再開するのです。


    

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