土曜日の午後
朝から雨模様
電話が鳴る
誰だろう?
「○○交番の××です」
何かあった?
何かした?
「自転車失くされてません?」
おお!あいつのことか!
1年ほど前にジャスコの駐輪場に止めていたら
消えてしまったあいつ…。
「○○の××ハイツの管理人さんから連絡がありまして…」
ということで、雨も上がったので取りに行く。
あいつには悪いことをした…。
失くしたあと
彼を探さなかった…。
これで新しい自転車が買える!
そう思ったりした。
防犯登録もしていたのに…。
ワンルームマンションの脇の
狭いスペースに彼はいた。
通勤用に使っていた…。
背広やカバンを入れるカゴが前後についている。
一見ママチャリ風であるが
じつはランドナーというタイプのツーリング車。
「ごめんな。ほっとらかしておいて」
「・・・・(無言)」
後ろの車輪の空気はそんなに抜けていない。
でも良く見ると鍵がかかっている。
ワイヤー式の3桁の番号で解錠するタイプ。
!
番号忘れた!
取ったやつは鍵をかけたままここに運んだのか?
ワイヤーは細いものなので工具があれば切れそうである
ペンチ!ペンチはないか?
うーん。家まで歩いて取りに行く?
と、ここまで来る途中に金物屋があったのを思い出した。
こんなことがなければ絶対に入らないお店
「ペンチありますか?」
「ペンチな~、あったんやけど…」
訳を話すと
「一回つかうだけやったら、これ使いはったら?」
とペンチではなくワイヤーを切る工具を貸してくれた
現場に戻り
「切れるかな?硬い合金でできてるんとちゃうか?」とおもいつつ
使うといとも簡単に切れた。
工具を返し、おれいに巻き尺を買った。
工具を買うことがあったら絶対ここに来ようと思った
その足で行きつけの自転車屋さんに持って行く
「チェーンさびてますが、換えたほうがええですか?」
「油させば大丈夫!」
とこれまた商売気がない。
町の商売ってこういう人間関係で成り立っているんだよなぁ…。
失せ物に巡り会ひたる春の暮 基風
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